2022年04月26日
新茶時期になると茶園を銀や黒の資材で覆われた光景を目にすると思います。これは栽培方法の一種で被覆栽培といいます。
被覆栽培ってなに?
被覆栽培とは、新芽の生育中の茶園を遮光資材で被覆し、一定期間日の光を遮って育てる栽培方法のことをいいます。日光を遮ることにより光合成が抑制され、成長による新芽の葉の硬化を遅らせることができ、鮮緑色と独特の芳香やまろやかな旨味や甘味のある茶になります。
新芽が伸びてきたら、遮光の資材を直接茶園に被せます。飛ばないようにピンや洗濯バサミで固定していきます。
太陽の光に当てずに育てた新芽は、葉に中にあるうま味成分のもとである、テアニンなどのアミノ酸類を増やします。日光を浴びるとテアニンはカテキンに変化する性質を持つため、茶園に覆いをすることでカテキンの生育を抑えることができるのです。そのため、被覆栽培のお茶は苦味が少なく濃厚な旨みや甘味の感じられる美味しいお茶になります。濃く鮮やかな緑色の葉や、青海苔のような香りのする「覆い香」なども被覆栽培されたお茶の特徴です。
私たちの狭山茶は、被覆期間を1週間~10日前後の【かぶせ茶】を製造しています。
かぶせ茶とは?
一般に出回っている【煎茶】は被覆をしないで作りますが、【かぶせ茶】は概ね1週間~10日前後の被覆を行います。さらに長い期間20日以上になると【玉露】や抹茶原料の【碾茶】になります。
煎茶は太陽を浴びさわやかなキレ味と苦渋味のバランスの良い味で、玉露は深い旨味甘味が濃厚になります。かぶせ茶は両者の中間的な存在のお茶です。
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